ゲーミングパソコン自作かBTOか

今回は、ゲーミングパソコンが欲しい方が自作PCにするべきかBTOパソコンにするか個人的におすすめの買い方を紹介したいと思います。最近はコロナ事情もありリモートワークで仕事を行っている人も多いです。そのため、ハイスペックなPCなんならついでにゲームもできるPCもできればいいかなぁとおもってゲーミングパソコンを買う人も増えています。さらに、次世代機と期待されていたPS5やXbox Xもなかなか市場に出回らないことで、ゲーミングパソコンに興味を持っている人も増えています。ですが、初心者はBTOで買えばいいのか自作で買えばいいかわからないという人もいるので、この記事でそこら辺の部分を解決していただければ幸いです。
BTOパソコンとは
BTOとはBuild To Orderの略で、要するに受注生産で注文に応じたスペックのPCをくみ上げ販売する方法です。もっとわかりやすく言うと、ドスパラのガレリアとかパソコン工房のlevel infinityとかマウスコンピューターのG-Tuneとかは全部BTOパソコンです。受注生産とはいっても、ある程度はパッケージングされているので初心者でも迷わず購入することができます。また、ネットで買える有名どころBTOショップは家電量販店のぼったくりなPCと比べるとかなり良心的な価格です。
BTOパソコンのメリット
1 絶対に動く保証がある
最大のメリットですが、BTOは確実に動く保証があります。PC自体に動作保証がついているので、PCが初期不良で起動しない場合でも返品や保証が効きますし、同様な構成で多く作っているため相性問題も比較的起こりにくいです。そのため、絶対に動くPCが欲しいという場合にはBTOが候補になってくると思います。
2 パーツの構成を考えなくてもよい
人によってはデメリットかもしれませんが、パソコンの構成をいちいち考える手間を省きたい方はBTOがおすすめです。ある程度満足のいく構成を作り上げるには、それなりにパソコンパーツの情報を知っておく必要があり、情報収集やパーツの組み合わせなどを考えないといけません。ある意味これが自作PCの楽しみであり醍醐味なのですが、パソコンだけが欲しい、早くゲームをしたいという方には無駄な手間ですので、そのような目的の場合はBTOパソコンのほうがおすすめです。
BTOの場合でも、確かにパーツなどの性能は多少は知っておいたほうがいいですが、BTOは商売ですので丁寧に商品のスペック解説をしています。そのため、APEXやフォートナイトなどの有名なゲームをしたいような人はBTOショップのおススメのPCを買っておけば特に問題はないでしょう。商品によってはゲーム推奨モデルなども販売、パッケージングをしています。
3 コスパがいい
最近のBTOパソコンはとんでもなくコスパがいいです。昔は自作パソコンのほうが安い場合が多かったですが、最近のBTOパソコンは適当な構成で組んだ自作パソコンと比較すると格安で購入できる場合も多く、自作で明確に安くできるのはBTOパソコンでは採用できないようなゲテモノパーツを導入したり、RTX3090とRYZEN9 5950Xを組み合わせたようなウルトラハイエンド構成の場合などかなり無理をした構成でもないとコスパ面で勝つのは相当厳しいです。
とくに一番人気のミドル帯でのコスパはほとんどBTOの勝ちであり、自作PCでBTOのコスパを超すためには最低でもwindowsの流用くらいはしないとまともに勝負にはなりません。
(OSを0円で使えるLinuxや試用版windowsにするなどの工夫をすれば、さすがに自作のほうがコスパが上だが恒常的に使うゲーミングPCということを考えると微妙)
BTOパソコンのデメリット
1 使っているパーツが謎、好きなパーツは使えない
一部自分の好きなパーツが使いやすいBTOショップもありますが、有名なドスパラのガリレアなどはパーツごとの製品の指定ができません。そのため、gskillのOCメモリを積みたいとか、グラフィックボードはASUSのROGがいいなどというこだわったパーツで組み合わせることが難しいです。また、できたとしても自作で組むよりもかなり高額になってしまうので、BTOの強みであるコスパ成分が失われてしまいます。
さらには、使っているパーツも謎なことが多いです。

例えばドスパラのガレリアの場合ですが、PCのスペックは書かれています。しかし、どこが製造したパーツかどうかはこのスペックシートではわかりません。また、BTOで採用しているパーツは時期によって変わる場合もありますので、パーツにこだわりたい人にとって見ると不信感はあります。もちろん、中身はどんなメーカーが製造部品でもちゃんとスペック通りのものは購入できるので、しっかりと動くパソコンがとりあえず欲しい人にしてみればデメリットは皆無に等しいです。
パソコンパーツをmsiとかASUSでブランドをそろえたい方は、自作したほうがいいと思います。
2 水冷は選びにくい
これも、パソコンに興味のない人からすると関係のない話ですが、BTOパソコンで水冷オプションを選ぶのは非推奨です。自分でつけるよりもはるかに高額なうえ、ついてくる水冷装置が貧相なもので、ハイエンドな空冷に比べると冷えないし音も大きいという悪いことだらけの状態になる可能性があるので、BTOパソコンで水冷オプションをつけるのは得策ではありません。また、そもそも水冷オプションがない構成も存在しますのでBTOでは水冷オプションを選べないと想定したほうがいいと思います。
ただ、i9-10900Kのような爆熱CPUでも定格ならば空冷でも冷やせるので特段水冷にする必要は自作を組んでいるような層にしか関係はないといえばそれまでです。
ちなみにこれは簡易水冷の話で、BTOでは本格水冷は一切選べません。ただ、本格水冷はコストも維持の手間も極めて高いので、上級者以外関係ないものです。
3 流用パーツが多いなら自作のほうが安い
当たり前ですが、流用パーツが多いなら自作したほうが安上がりです。個人的にはBTOパソコンで一度そろえた後、BTOを種にカスタムすると自作PCの練習にちょうどいいです。
4 OCは非推奨
BTOの構成でオーバークロックは基本的に非推奨です。そもそもBTOの構成コンセプトはコスパ良く、動くパソコンを作るというのがメインですので、パーツの寿命を減らして最高性能を引き出すオーバークロックとは真逆の設計思想です。
市販のグラフィックボードなんかは、ファクトリーOCされている場合もありますがBTOで購入した場合これらの軽いOCモデルさえも搭載されていない場合があります。OCをすると補償対象外になりますし、別にOCしたところで根本的に性能が向上するかというとそんなことは絶対ないので、初心者の方はあまり気にしなくてもいいですが、OCに興味がある方に関してはBTOで組むよりも自分で選んだ信頼性の高いパーツで組んだほうが結果としては安上がりです。
自作PCとは
パソコンというのは実は、それぞれ機能を持ったパーツの組み合わせで動いています。また、これらのパーツは単品で購入できるので、自分で組み合わせてパソコンを作り上げることができます。これを自作PCといいます。自作PCといってもパーツをレゴブロックのように組み合わせて作り上げるのだけなので、使うのはドライバーだけでありそこまで身構えなくても問題なく作ることが可能です。
自作PCのメリット
1 好きな構成で組める
自作PCの最大のメリットです。自作PCでは自分の組みたい構成で思うように組むことができます。ASUSが好きなら、パーツをすべてASUSでそろえることができますし、ケースも自由に選ぶことができます。
PCの構成を考えることが好きな方は、これほど楽しいことはないでしょう。なんたって自分が考えた最強PCを組めるこれが自作PCの最大の楽しみです。
常識的な構成だけじゃなく、ゲテモノパーツを積むのもいいですし光るパーツを集めてギラギラ光るPCを作るのもいいでしょう。海外などでは、MOD PCという芸術品のような自作PCを作り上げる文化もあるので、自作PCは奥深い世界です。パソコン、ハードウェアが好きな方は間違いなくはまることでしょう。
2 冷却機構をがちがちにしてOCできる
自作PCは自由度が高いので、冷却機構もがちがちに固めることができます。ハイエンド空冷や簡易水冷はもちろん、自分で作る構成ですから水枕やパイプ、ラジエーターなどを自由に配置して冷却力を最大限に高める本格水冷(DIY水冷)というのもいいでしょう。
中には、液体窒素を入れるポットをCPUクーラーにして極限までオーバークロックする、ハードコアなオーバークロッカーも存在します。
いずれにしても、BTOでは実現できない予算度外視スペック重要視の冷却機構を自作PCでは搭載することができるので、自分のパソコンのスペックを極限まで高めたい方は自作PCがおすすめです。
自作PCのデメリット
1 高い
ミドル帯では、完全新規でそろえる場合BTOのコスパに勝てません。しかもあちらにはパソコンの動作保証がついているので、コスパで勝負するのは完全に無理でしょう。実際私が組んだ構成よりもBTOのほうが1万円程度安く購入できます。
2 構成を考えるのが面倒
私のようにハードウェアが好き、PCパーツそのものに興味があるという方は自作PCをするのは楽しいですが、ゲームをするのに速くパソコンが欲しい、ゲームができる構成にしてくれという方にとっては自作PCはあまりにも選択肢が多く、選択肢を追うのが大変になってくると思います。パーツを買い忘れると当たり前ですが動きませんので、構成の試行錯誤やいちいち買うパーツを覚えておくのが面倒という方はお勧めできません。
3 パソコンそのものの動作保証がない
最大のデメリットです。PCパーツそのものには、動作保証がついているかもしれませんが、それらを使ってくみ上げたPCに関しては動作する保証はありません。最近はあまりありませんが、相性問題で動かなくなったらそれまでです。
また、動作がおかしくなった場合自分でその理由を調べ上げないといけないのでハードウェア、パソコンに詳しかったり、好きでないとこの作業はおっくうになると思います。
BTOパソコンはゲーム機のように組みあがった状態で購入できるので、相性問題のトラブルシューティングは基本的には行わないと思います。
結局どちらがいいか
ここまでBTOと自作の特徴について解説をしてみましたが、この時点で気づいている人もいるかもしれません。自作PCは、現状コスパよりもロマンを求めるものだと思ったほうがいいと思います。どうしても、オーバークロックメモリを使ってみたかったり、高クロックのグラフィックボードを使ってみたい、ものすごく光るパソコンを組みたいなど、パソコンそのものにある程度コンセプト思想がある人が組んだほうがいいと思います。
そのため、すぐにゲームが遊びたい、パソコン自体は詳しくないがパソコンでゲームが遊びたい、仕事に使うので安定性が重要という方は素直にBTOパソコンを選択したほうがいいと思います。

最後に簡易的なフローチャートを作りました。これに合わせてとりあえず考えてみてください。もちろん、このフローチャートどうりでなくても問題はありませんが、基本的に初心者にはBTOパソコンがおすすめです。