今回は2021年の2月のデスクトップPCの買い方について紹介もとい、記録的な半導体不足のアーカイブ記事を書いておきたいと思います。急いでいない方は、少なくともあと数か月は待たないと安価にPCは購入できないうえ、そもそもグラフィックボードは購入さえできない状況ですので買うのは全く得策ではありません。
しかし、パソコンを買う必要のある方もいると思うので、この記事ではある程度在庫が豊富であり、ある程度安価には変えるパーツを紹介したいと思います。
2月18日現在の状況
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CPUは人気のあるTSMC製である、RYZENシリーズを中心に値上がりしていますが在庫自身は豊富です。しかし、最新のRYZEN5000シリーズはもとより、旧シリーズもある程度の値段からは下がっていないので現状買い時ではないと思います。また、5000シリーズの中でもハイスペックな5900Xと5950Xはいまだに在庫が安定していないので、購入が難しくなっております。
その一方で、intel製のCPUは値下げが続いており在庫自身も豊富です。さらに、intel製のCPUはFの型番がついていない限りは内蔵グラフィックが搭載されているため、GPUをつけなくてもPCとして使えるというのも大きなメリットとなっております。
RYZENでもG付きのモデルは内蔵グラフィックがついており、RYZENのもののほうがintel製よりも性能が高いといわれていますが、そもそものCPU性能が旧モデルのものを採用しているため低い場合が多いです。一部性能が高いものもありますが、単体で購入できないというデメリットもあります。個人的にはAMDを押したいのですが今回に関しては流石にintel製CPUのコスパは目を見張るものがあります。
ちなみに3月にintelのデスクトップ向け11世代CPUが登場するようですが、こちらは発売当初は高く10世代とそこまでの性能差は見られないため、10世代を購入するのが現状の最適解だと思います。
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問題はグラフィックボードです。異常とも言っていいほどの在庫不足で、公式ぼったくり価格のRTX3090以外はほとんどすべてが在庫不足であり、購入できたとしてもぼったくり価格でしか購入できないという事件が発生しています。
グラフィックボード不足の初期は、コロナウィルスによる特需、PS5とXBOXとにバッティング、製造元のTSMCの製造キャパ不足、geforce 30シリーズの製造元のサムスン製のGPUの歩留まり問題などが言われていましたが、ここにきて半導体業界全体での半導体不足、本格的なマイニングブームなどさらに事態を悪化させる要因が増えてきました。
あまりのGPU不足によって、RTX20シリーズを復活させる可能性があるなど異例の事態が続いております。グラフィックボードがダメなら、GPU付きノートで逃げるという方法もあるのではないかという意見もあるかもしれませんが、こちらもマイニング業者が買い取ってマイニングで使っているという記事も見られているので、こちらもあまり入手の方法としては好ましくないと思います。
中には中古グラボが新品で買った時よりも高く売れたケースが出てくるなど、異常というにふさわしい事態です。現状上から下まですべてのグラフィックボードが買い時ではないと思います。唯一買ってもいいといえるグラボは、もともとぼったくり価格のRTX3090しかもハイエンドモデルのものならば定価とそこまで変わらない価格でどうにか買える可能性がある程度です。ただし、これらは一般人が買える値段ではないので、実質的にグラボの入手は困難です。
AMDは1Qは壊滅的という予想を発表していましたが、個人的には2021年の前半はGPUの在庫が復活することはないと思います。買えるようになるのは、おそらく2021年の後半か魅力的な新商品に注目が行って相対的にRTX30シリーズとRADEON6000シリーズに人気がなくなるときでしょう。
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メモリは先週から少し値段が上がっているようですが、そもそもが底値に近かったので比較的お買い得に購入できると思います。2022年にはzen4とalder lakeというDDR5メモリー対応のCPUがAMDとintelから登場するので、2021年はDDR4メモリが主力の最後の年になります。そのため、この一年はおそらくそこまで高騰せずメモリが購入できると思います。
メモリに関してはいつでも購入できると思うので、焦らずに好きなタイミングでの購入がおすすめです。DDR5はデフォルトでECC機能が搭載など性能面が強化されているようですが、その分値段が高価なのが予想されるためしばらくはコスパ重視の自作やBTOの場合はDDR4メモリが採用される可能性が高いと思います。
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マザーボードは値段が安定しています。zen3用もある程度販売から時間もたっていますし、intel10世代用はかなり安くなっています。まもなく登場する11世代用のマザーボードは各社とも相当気合の入ったものが販売される予定ですので、値段は高めですが拡張性、オーバークロック耐性は相当高そうです。
ですが、マザーボードはチップセットさえ確認すれば、定格なら基本的にはそこまで高価なモデルを買わなくても、実用には問題ありません。また一部の高価なモデルには内蔵GPU用のフェーズを割いていない場合もありますので、内蔵GPUを使いたい方は注意をしましょう。これらのモデルは最上位モデルやオーバークロック向けモデルが該当しますので、5万円以下のマザーボードを購入する方は問題はありません。
安価にマザーボードを購入したい方は、現在買っても問題はないといえるでしょう。もっともRYZENの場合はCPU自身が手に入れにくいという問題はありますが。
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最後はケースファンの紹介です。ケースファンってまた地味な商品だなと思うかもしれませんが、ケースファンは1月に新商品が登場したのでお買い得になっています。虎徹で有名なサイズから新商品が販売されたり、これまでは静音ファンはノクチュア一強だったものが、サーマルテイクから競合レベルに達した商品が販売されるなどケースファン界隈はにわかに盛り上がりつつあります。
ケースファンは寿命が長いので、いつ買っても問題はない商品ではありますが今はおススメの買い時かもしれません。
結局何を買えばいいのか?
まずグラボとRYZENは買い時ではありません。特にグラボは全くと言っていいほど買えず、買えてもぼったくり価格でしか購入できないため、購入自体をやめるべきです。BTOでもだんだんの値上がりしていますので、今ゲーミングパソコンを買おうとしている人は相当負担がきついです。
現状の最適解は安くなった内蔵GPU付きintel CPUとマザーボードをセットで購入してグラボなしの最小構成で自作することです。正直BTOでもグラボが高くなっているので、BTOではあまり例のないハイエンドCPUとマザーボードの最小構成をおすすめします。最近のCPUは性能向上が著しいですがGPUに比べると使えないまでの陳腐化は発生しないのと、いまでも使える2600Xと同等性能の10100が13000円で購入できるためお買い得感はすさまじいです。
そういうわけで、intelの最小構成に限って言えば現在はとてもお買い得な状況です。グラボをつけたり、AMDerになろうとした瞬間ぼったくり価格で痛い目を見ることになります。