価格の高いCPUのメリット

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 今回は価格の高いCPUを買うとどのようなメリットがあるのかをまとめたいと思います。よくCPUは性能が高い方がいいとも言われていますが、CPUは多くの電力が必要なパーツでありハイエンドのCPUは常時稼働だと電気代もバカにならないので必ずしも高いCPUが正義というわけではありません。なお、今回は主にx86のCPUについてまとめるのでarm系などその他CPUについて当てはまらない場合があるため注意してください。

1 オーバークロックができる

 ハイエンドCPUの特権ともいえる機能です。RYZENではほぼすべてのCPUで行うことができますが、intelではK付きの一部ハイエンドでしかできないという制限があります。また、ほとんどのノートパソコン用CPUでは実装がされていない機能です。オーバークロックができるPCはアンロックができるという文言がどこかに記載されています。

 オーバークロックとは定格のクロック周波数以上の周波数でCPUを動かすことで、通常時よりもより高いスペックを狙う、いわばCPUの界王拳ともいえる機能です。オーバークロックを行うと消費電力や発熱が増加し、信頼性、安定性の低下、さらに保証が効かなくなるというデメリットも多いです。そのため、オーバークロックを行う際には水冷やさらに冷やすため液体窒素を使うなど冷却装置をがちがちに固めることが多いです。

 オーバークロックは効率的とはとても言えないですが、オーバークロックを行うことにより性能的な不足分をある程度補うことができますし、なによりも最高スペックを追求するというロマンがあります。

 良くも悪くもPC廃人向け機能ですが、最近ではintelもAMDも自動OCツールが存在しているため安全性をある程度担保してオーバークロックを行うことが可能になったので障壁は下がってきてはいます。

2 コア数が多い

 価格の高いCPUは総じてコア数が多いです。コア数が多すぎる場合クロックが上がらなかったり、消費電力量が多いなどのデメリットも多いですが、8コア程度までならばとりあえずデメリットが少なく性能の向上は感じやすいです。

 コアとは演算を行うユニットのことで、コアが多ければ多いほど作業を並行して行うことができるため同時並行で処理を行うことが可能になります。しかし、ゲームなどのタスクはそこまでコア数が必要なタスクではなくむしろ1コア当たりの性能が求められるのでコア数が多いCPUが優れているわけではありません。また、16コア以上のコアを搭載されているCPUも存在しますが、現在民生用で使われているソフトでそこまで多コアに対応しているソフトが多いわけでもないのである程度のコア数以上は性能の実感がしにくいと思います。ですが、2コアなどコア数が少ないCPUでは明らかにもっさり感を感じるので、メインで使うPCはやはり4コア以上はほしいと思います。
 また、スレッド数というのもありますが、こちらは実質的なコア数で1コア2スレッドなど実際のコア数よりもスレッド数が多い場合があります。昔は価格が高いCPUだけでコア数よりもスレッド数が増える技術が搭載されていましたが、現在では廉価なCPUでも搭載される技術になりつつあります。

3 クロック周波数が高い

 クロック周波数とはCPUの回路が動作をする時にタイミングを合わせるために使用すされる信号の回数を表したものです。大まかにこのクロック周波数が高い場合性能が高い状態です。オーバークロックとはこの周波数の値をCPU規定の最高値以上に引き上げる機能です。

 大まかに1コア当たりの性能として考えることが可能であり、このクロック周波数が高いとゲームなどの多コアでも性能が上がりにくいタスクでも高い性能を発揮します。(一クロックあたりの性能はIPCという)

 価格が高いCPUはオーバークロックを行わなかったとしても、規定のクロック周波数が高い傾向にあります。逆に価格が安いCPUはクロック周波数がかなり低いこともあり、コア数が上位製品と同数であっても快適度が異なる場合もあります。

 intelのノート向けCPUはコア数が同数で規定クロック周波数の差でグレードを分けている場合も多いです。

4 キャッシュが多い

 価格が高いCPUはキャッシュの容量が多いことがあります。CPUのキャッシュはCPUの内部に存在するメモリーのことで、いわゆるメモリーといわれているRAMよりもアクセスの速度が速く、一時的にデータを保有する領域としては最も高速なものです。

 基本的にキャッシュの容量が大きいほどCPUの性能が高いといえますが、キャッシュの容量を最優先で考えて購入することはほとんどないと思います。

 ここまでは基本的にデスクトップCPUとノートパソコン用CPUに共通することをまとめていきましたが、ノートパソコン用ではCPUの値段の違いにはさらに別の意味があります。

5 内蔵GPUの性能が高い

 排熱が厳しいノートパソコンでは外付けのGPUを取り付けることが難しく、内蔵GPUがデスクトップ用に比べると重要視される傾向にあります。これまでは、画面が映れば問題ないというレベルのGPUでしたが、最近のノートパソコン用のハイエンドCPUに搭載される内蔵GPUでは性能が徐々に向上しており、最上位のintelのXeグラフィクスでは本格的な3DCGのゲームができるレベルまでに向上しているので決して無視できない要素だと思います。

 正直CPUの性能差よりもこのGPUの性能差が大きくなりつつあるので、ノートパソコンを選ぶ際には内蔵GPUの型番も調べるとよいと思います。

intelの内蔵GPUの型番の見方についてはこの記事を参考にしてください

ノートパソコン用のCPUの選び方2021年 3月版 intel版

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