今回は個人的に考えるモニターの選び方について書いてみたいと思います。
1 画面解像度
いわゆる、フルHDとかWQHD、4Kとか呼んでいるやつです。解像度は横に並んだドット数×縦に並んだドット数の数字で表されます。画面解像度が大きくなると画面で表示できるスペースが広くなるので、作業には大変便利です。また、ドット数が増えるため描写もより精細になり、画像を美しく表示することが可能です。
一般的にはこの画面解像度がディスプレイの性能を決める大きな要素であり、このスペックが高ければ高いほど良いモニターとされます。
基本的な画面解像度の目安としては16:9の縦横比を持つ1920×1080ピクセルのフルHD(FHD)という単位です。一般的にこれ以上の画質のものは性能が良いモニターといわれており、4Kというものは3840×2160のように長い方の編がだいたい4000ピクセルほどあるつまり4キロ個あるものを指しておりFHDからおおよそ4倍の画面解像度があるものを指します。
FHDの4倍の解像度が4K解像度なので、4Kは圧倒的な表現力を持ちます。その分それらのディスプレイは高いです。また、4K解像度を写すにはPCのグラフィック性能を求められるのである程度PCへの投資も必要になります。
4KとFHDには大きな差があるのでこの間を埋めるためWQHDという解像度(2560×1440)やその他16:9からずれた縦横比を持つものも存在します。
2 リフレッシュレート
イラストを描いたり、ネットサーフィンにしか使用しない方にはあまり関係ない項目かもしれませんが、ゲームをやる方には大変重要な項目だと思います。
リフレッシュレートとは60hzとか144hzとか240hzって書かれてあるやつのことを指します。この性能は秒間に画像が切り替わる回数のことを指しており、60hzでは一秒間に60回、144hzでは1秒間に144回という感じです。
この性能が高いと、ゲームなどが滑らかに描写でき、いわゆるヌルヌル動きます。この性質は特にFPSといったシューティングゲームで重要視される項目です。リフレッシュレートが高いと残像感が減らせ、描写が増えるので描写がすくない相手より描写しているコマ数分だけ早く相手の姿を映すことが可能です。
いわゆるゲーミングモニターというものはこのスペックが極端に高いものが多く、中には390hzといったぶっ飛んだリフレッシュレートを出すものも存在します。
なおフレームレートという言葉もありますが、そちらはGPUが内部処理で絵を一秒間に何枚描き出すかという性能でモニターとは関係がない性能です。
3 パネルタイプ
PCのディスプレイで最近使われるパネルタイプは液晶ではTNパネル、VAパネル、IPSパネル、そして液晶ではない有機ELパネルが挙げられます。
有機ELはまだ高いうえ、PC用のディスプレイではまだ採用が少なく今回は割愛します。
TNパネルは昔から使われている液晶パネルで、視野角が狭く横から見ると色合いが変わってしまうパネルです。視野角が狭いという特徴から、正面で使う用途には問題はないですが2つ以上のパネルを使う際にパネルが正面に向かない場合は正常な色合いで表示できない可能性があります。また、TNパネルは若干白っぽくなる傾向にあるのでイラストを描くなどのクリエイティブ用途には向かないと思います。
このようなデメリットのあるTNパネルですが、TNパネルは安価に購入できるのとその性質上応答速度が速めであるためゲーミングモニターでは安価でゲーミング性能が得られるTNパネルが採用されることがあります。
VAパネルはTNパネルに比べると色再現性が高いという特徴があります。そのため、クリエイティブ用途にも利用できるパネルです。しかし、TNパネルと同じく視野角が狭いという問題は抱えており現在では割と少数派のパネルとなっております。
IPSパネルはVAパネルの色再現性の高さに視野角が狭いという問題を解決した、万能型ともいえるタイプです。昔はIPSは応答速度が遅いといわれていましたが、それも技術開発により改善が行われ今ではTNパネルよりも反応速度が速いIPSも登場するなど、クリエイティブからゲームまであらゆることに使えるため今現在では最も人気のパネルです。
IPS最大のネックといえば値段でその他パネルのモデルよりも5000円くらい高いという問題点もありますが、現状では予算に余裕があればIPSを選べばとりあえず後悔はしないという状態になっています。
4 HDR
HDRというのはハイダイナミックレンジの略称で、簡潔にいうと色のコントラストを明確にして色をはっきりさせる効果です。HDR技術があると色をより美しく再現することができるので、イラストやグラフィック重視のゲームをやる際には素晴らしいものが楽しめます。
このHDR性能を表すものとしてHDR10+とDisplay HDRという指標があります。HDR+10はUHD BDの映像規格向けに規格化されたものを拡張したものでありHDRの映像信号そのものの規格を表すものであるため、ディスプレイの性能そのものを表すものではないです。
Display HDRはVESAが企画したHDRの映像の表示性能規格であり、前者のHDR10+とは関連性が薄く、こっちはディスプレイのものの品質を表すものになっています。HDR400、HDR600、HDR1000、HDR1400そしてそのほかにも黒の表示を強調したTrue black400、500、600という存在があります。
HDR○○のところに入る数字はHDR表示時の最大輝度を表したものでHDR400では400nit、HDR600では600nit、HDR1000では1000nitとなっております。
現在HDR400のディスプレイは、5万円程度の多機能ゲーミングモニターでも割とついていたりと普及体でも多く見られますが、HDR600以降になると値段が一気に跳ね上がりゲーミング目的のモニターではほとんどついているものが見られないです。HDR1000に関してはどれも10万円以上でゲーミングモニターというよりは本当にプロのクリエイターが使うディスプレイだけが販売されているため、一般人が使う代物ではないという印象が見受けられます。そしてHDR1400というものに関しては規格だけは設定されいるものの現状は販売されていないような状態です。
余談ですが、appleが販売しているPro Display XDRは画面解像度が5Kで50万円越えと一見するとぼったくりのように見えますが、ピーク輝度が1600nitとDisplay HDRの規格から考えるとHDR1400よりもさらに上に位置する化け物モニターなので50万円という値段にもある程度根拠があるといえます。
5 端子
端子はUSBハブ機能などの便利機能から、PS5のようにHDMIしか使えない機器に接続をする際にはある程度気を付けないといけません
例えば現在古めのケーブルで多めのHDMI1.4ではHDRが採用されていなかったり、WQHD以上で144hzのリフレッシュレートに対応していなかったりと規格によってはせっかくのスペックが無駄になる場合があります。
特にPS5はHDMI2.1に対応しているので4K120hzのモニターを利用することができますが、このようなモニターはたいていDisplayportでこの規格に対応しており、HDMI2.1を備えているモニターは少数派なので現実的にPS5を4k 120hzを出力するのは不可能に近いです。