今回はHDD(ハードディスク)について語ってみたいと思います。
SSDと比較して
HDDは伝統的にPCのストレージを担当するパーツでしたが、昨今ではSSDの超高性能化と価格が大幅に下落したことでHDDからストレージの座を次々と奪っている状況にあります。低容量ではSSDのコスパが上回っている状況になりつつあり、このままHDDはオワコンと化してしまうか個人的に考察をしたいと思います。
SSDのメリット
1 ランダムアクセス性能が高速
ユーザーが体感でわかる高速かどうかの基準はランダムアクセス性能です。HDDは円盤を回す必要がありどうしても物理的にランダムアクセス性能を上昇させるのにも限界があります。それに比べるとSSDはHDDよりも確実にランダムアクセスの性能が上です。
2 騒音がない
HDDでは騒音がどうしてもしますが、SSDは半導体なので基本的に音が出る部品がないため静穏性がHDDよりもはるかに高いです。
3 耐衝撃性
HDDは円盤が回って、円盤の情報を読み取る針がついているという関係上衝撃にどうしても弱いという欠点がありますが、SSDは稼働部位がないのでHDDよりも耐衝撃性が高いです。
SSDのデメリット
一見するとSSDはメリットしかないようですが、SSDにもデメリットはあります。
1 値段が非常に高価
SSD最大の欠点として、値段が非常に高価です。最近では1TB程度ならばHDDの互換としても高級なHDD程度の感覚で購入することができる場合もありますが、これが2TB以上になると価格差も2倍くらいに広がるようになり、現在のHDDのボリュームゾーンの4TB以上になると圧倒的な価格差があります。
これはあくまでも、価格の比較的安いsataタイプのSSDの話であり特に高価なM.2のPCIE4.0接続のSSDに関してはコストパフォーマンスは極めて劣悪です。
現在でも大容量のデータの保存を行う倉庫としての使い方に関してはHDDのほうがコスパが良いといえるでしょう。
2 SSDの突然死
SSDは無音ですが、データの永久的な保存を行うことに関してはこの特徴がデメリットを生むことがあります。
HDDもSSDもいつかは故障しますが、HDDの場合は故障する前に異音がすることがあり、完全に故障を起こす前にデータを移し替える等の処置を行えば最悪の事態を防ぐことができます。
しかし、SSDでは無音であるためSSDの状態を確認するソフトウエアなどで確認を行わないと直接はSSDの健康状態を確認することはできません。そのため、いつの間に壊れてデータが壊れ切った後で初めて故障を確認するという危険性があります。
また、SSDの突然死は昔のSSDの信頼性が乏しかったころ設計寿命前に故障を頻発したというエピソードからも来ています。これに関しては現在のSSDは設計が進んでいるため以前よりはこの意味での突然死が起こりにくいといえるでしょう。
3 SSDはHDDに比べるとデータ復旧が難しい
HDDが故障した際に、どうしてもデータを復旧させたい場合最後の手段としてデータ復旧サービスという手段があります。失敗する場合もありますが、HDDではある程度技法が確立しておりデータの復旧が可能な場合があります。
しかし、SSDはまだメインにストレージを担当するパーツとしては日が浅く、データ復旧のノウハウがHDDほどは確立していないうえ、原理上HDDよりもSSDはデータの復旧が困難であるという特徴があります。そのため、どうしても完璧にデータを保管したい場合データの復旧が行いにくいSSDよりもデータ復旧が最悪出来るHDDのほうが理にかなっている場合があります。
もっとも2にしても3にしても、どうしても保管したいデータは何重にもバックアップを取ることが原則であり、1つが故障しても問題ない体制を整えることこそが基本ですので、価格が高いという問題以外は2と3の問題は考えなくてもよい課題かもしれません。
HDDは生き残るか?
個人的にはこの5年でHDDが完全に消えるというわけではないと思います。しかし、今後は1TB以下の容量ではおそらく急激にSSDのシェアが高まると思います。SSDは今後も価格が下がっていくでしょうし、速度だけでもなく移動用のノートPCにも合致した特性を持っているので、ノートPCからはHDDの全廃もあり得ると思います。
一方で、普段使わないようなデータだが、保存はしたい、しないといけないというようなデータの保管庫としての役割ではHDDは今後も現役だと思います。さすがに2TB以上のSSDが今後急激に安価になるとは思えませんし、HDDも大容量化の方向に舵を切っており、昨今では18TBのSSDが7万円以下で購入できるなど大容量でのコスパはまだまだHDDのほうが上だと思います。
最近では一般消費者の方でもTB単位のデータを扱うことが多くなってきましたが、クリエイターはどうしても倉庫代わりに一般消費者では考えられないような容量のストレージが必要な場合があります。そのため、プロ用途では今後もHDDは残り続けると思います。
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