介護向け音ゲーについて考える

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 今回は前回の記事である、2020年代のアーケード音ゲーについて考えるという項目で介護向け音ゲーという項目を考察しましたが今回はそれについてもう少し考えてみたいと思います。前回の記事も参考にしていただけると幸いです。

2020年代のアーケード音ゲーの予想

 現在音楽ゲームは介護向けに使えるのではないかということが期待されております。また、高齢者向けにフォーカスした音ゲーが一部を除いては存在しないため、スマホ、アーケード、コンシュマー問わずパイを奪い合っている音楽ゲームに残された最後の市場とも言えます。

 そのため、この市場を取れた音楽ゲームはこの先大きな躍進を遂げるはずです。特に日本は少子高齢化が進む中なので、音楽ゲームはこの市場をから逃げてはいけないと思います。

 ここからは、高齢者向けや介護に適した音楽ゲームを個人的に考察していきたいと思います。

太鼓の達人

https://taiko.namco-ch.net/taiko/

 アーケード音楽ゲームでは圧倒的な設置台数とプレイヤー人数が存在する太鼓の達人ですが、高齢者音ゲーという観点でもライバルと比べると一歩も二歩も進んでいます。

 太鼓の達人は2004年に太鼓の達人 日本の心という介護用、高齢者向けに作ったverをリリースしています。このバージョンでは通常の太鼓の達人のような過激な難易度の譜面を封印しており、オリジナル曲をなくして民謡など有名な楽曲を収録するという措置をとっていました。また、バチに関しても持ち手を改良して弱い力で握れるような工夫をしていたようです。

 この作品以降、太鼓の達人の高齢者向け用の筐体はリリースされていませんが、同業他社がこのような試みをしていない中、10年以上先に高齢者向けに筐体をリリースしている経験は貴重だと思います。そのため、高齢者向け音楽ゲームの市場でも太鼓の達人が高いシェアを取る可能性は極めて高いと予想できます。

 また、太鼓の達人は未就学児から大人まで幅広い層のプレイヤーが存在するため、孫による影響で始める高齢者も少なからずいることが想定できます。これも高齢者向けの音ゲーということを考えるとかなりのアドバンテージがあるといえるでしょう。

 ニジイロver以降コア層向けのUIになってしまって若干わかりにくい状態にはなってしまいましたが、それでも基本のルールはわかりやすく、和太鼓のイメージでプレイできるので高齢者の方でも簡単にプレイできます。あとは、バチの重さがもう少し軽くなればこのまま高齢者が遊べるゲームになると思います。

 個人的には太鼓の達人はニジイロ以前の比較的わかりやすいUIに戻せば、特に何も弄ることなく高齢者施設においてレクリエーションに活用することができるゲームだと思います。日本の心では民謡ばかり収録されていましたが、あまりにも楽曲数が少なく、また高齢者全員が民謡が好きかというとそういうわけでもないので特に弄らないそのままのverで問題はないと思います。

Dance Dance Revoltion

https://ja.wikipedia.org/wiki/Dance_Dance_Revolution

 Dance Dance Revolution(DDR)はアメリカで体育の授業で使われたように、運動効果が高いことが証明されている音楽ゲームです。実際に私もDDRダイエットを行って成功したので、DDRの運動効果は本物だと思います。

備考 DDRダイエット記事

https://fumigegakkai.net/category/%e3%83%80%e3%82%a4%e3%82%a8%e3%83%83%e3%83%88/

 DDRはあまりにも運動強度が強いので、寝たきりの人や体を動かすのが大変な高齢者の方には向かないゲームですが、このゲームをプレイすることによってまだ体が動かせる高齢者の方が運動不足解消できることが期待できます。

 日本は寿命こそ高いものの、近頃は体を動かせる寿命の健康寿命との格差が広がっている傾向にあります。医療体制が整っているので、長生きはできますが寝たきりで長い間生き続けるというのもそれはそれで苦痛だと思う人もいるかもしれません。中には自分の力では対処できないどうしようもない病気もありますが、運動不足から生じる生活習慣病は予防することができます。このDDRは短時間で運動不足を解消できるゲームですので、生活習慣病予防にうってつけです。

 UIに関しては、基本のシステムは4つのパネルの矢印を踏めばいいだけなのでわかりやすいとは思いますし、選曲画面もわかりやすいと思います。(ただし、オプションの出し方やオプション項目に関しては改善したほうが良いと思う。)

 ただし、選曲に関しては太鼓の達人のようにみんな(音ゲー経験皆無の人)が知っているという条件から考えると選曲のチョイスは不十分であり、また現在狙っているマーケティングの客層からもずれるので個人的には専用verを作ったほうが高齢者でも楽しめると思います。

 また、高齢者用DDRはパネルの底上げを標準仕様にして、センサーの感度も通常よりもより感度が高い設定にするべきだと思います。

Pop’n music

https://www.konamistyle.jp/products/detail.php?product_id=109126

 音ゲー界では魔境とされているポップンミュージック(以下ポップン)ですが基本的な遊び方は簡単ですので、高齢者向け音ゲーに最適だと思います。

 ポップンミュージックは基本的には9つのボタンタイミングよく押せばいいというルールなので、遊び方は簡単に理解できます。また、デフォルトの設定では9つのボタンがそれぞれ色分けされているので視認性もよくわかりやすいプレイ画面となっております。

 ポップンのデフォルトの設定のボタンは押すのにそれなりに力が必要なので、もう少し軽い力で押せるばねに変えるなどの工夫などが必要ですが、太鼓の達人やDDRと違って車いすでもプレイができるというアドバンテージがこのゲームにはあるので、太鼓の達人などとはバッティングしないと思います。

 また、BEMANI系の音楽ゲームではそのままの状態でも版権曲が多めですので、音楽ゲーム初心者にも比較的受け入れやすい楽曲が多いと思います。ただし、ポップンミュージックの場合全体の楽曲数が多すぎるのでIIDXライトニングモデルのように検索機能を搭載する必要があると思います。また、高齢者向けという観点から考えるとやはり太鼓の達人の選曲と比較してまだ対応が足りないという印象は抱きます。

 UIに関しては、高難易度プレイヤーが多いBEMANI特有の問題ですがオプションの設定項目が多く初心者はどうやって弄るかわからないという問題があるのでここら辺は解決、改善をしないといけない点だと思います。

 筐体は、既存のものを流用しても問題はないとは思いますが高齢者用に低い位置にボタンを設置したモデルや、コントローラーだけ独立しているモデルを出すとより対応がしやすいと思います。

オンゲキ

https://sega.jp/product/ongeki/

 個人的にこのゲームは非常に脳トレの効果があると思います。それ以外にも座ってできるというのがほかのアーケード音楽ゲームにはない、高齢者向け音楽ゲームとしての利点だと思います。

 このゲームでは、キャラクターを操作するレバーと書くノーツを捌くボタン、さらにサイドボタンというほかのゲームに比べるとかなりやることが多いゲームです。そのため、脳トレの効果がそれなりに期待できると思います。

 ただし、そのままのUIやキャラゲー要素があると介護向け、高齢者向けという観点から行くとわかりにくく、無駄な要素が多すぎるためソフト面に関しては大幅な改変が必要だと思います。また、サイドボタンは一般人目線で考えても、かなり押し心地が固いので高齢者向けというのを考えるとだいぶ押し心地は軽くする必要があると思います。

 その他高齢者向け音ゲーということを考えると、レバーだけで操作できるモード、ボタンだけで操作できるモード、サイドボタンだけで操作できるモードなど、柔軟に使えるデバイスをコントロールできるような譜面を作り上げることが重要になってくると思います。

 さらに選曲に関しても、このゲームは中高生のオタクをマーケティングの中心の考えているため、大幅な路線変更が求められると思います。仮に高齢者用にオンゲキを販売するとしたら、現在の筐体とはかなり仕様が違った筐体になるでしょう。

 ここまで改変を行って、高齢者向けに改造するかどうかは怪しいとは思いますが個人的にはシステムに関しては十分高齢者向けに使えるものだと思います。

チュウニズム

https://chunithm.sega.jp/news/2019-10-11/

 オンゲキよりはゲームシステムやUIがシンプルなので改造する幅も少ないと思います。チュウニズムは三次元的な動きがあるので脳トレ要素が比較的多い音楽ゲームだと思います。このゲームには物理的なボタンがないので、力がなくてもプレイできるというのは高齢者向け音ゲーの観点から行くと大きなアドバンテージだと思います。

 基本的なプレイに関しては教われば誰でもすぐできるようなルールですので高齢者の方もすぐにできるようになると思います。オプションに関してもこのゲームは特に設定をしなくてもそれなりにプレイできるので、音楽ゲーム初心者にもわかりやすいと思います。

 このゲームもやはり選曲面が高齢者向けにという観点から考えるとあっていませんが、それさえ追加できれば少し高齢者向けに調整すれば、介護向け音ゲーとして活用できる可能性があると思います。

高齢者向け音ゲーの展望

 おそらくはメインストリームの市場にはならないとは思いますが、確実に市場に参入してくるゲームは出てくると思います。特に太鼓の達人は圧倒的な知名度があるので、もう一度参入してくる可能性も0ではないと思います。

 そのほかのゲームに関しては初めは、中古筐体の有効活用という形で高齢者施設に筐体を置くという形をとっていくと思いますが、余裕が出てきたら高齢者向け筐体の設計も始めるのではないかと思います。そのため、古い筐体が多いBEMANIシリーズはSEGAのゲームに比べると有利な状況になっていると思います。

 SEGAのゲーム関しては稼働からまだそこまでの月日がたっていないため、古い筐体のストックもないですし、現状はメインストリームの中高生向けの市場で成功しているので、高齢者向け音ゲーの市場に参入してくる可能性は低いと思います。ただし、上記の2社が成功した場合このような美味しい市場を逃すわけにはいかないので何かしらのアクションは取るだろうと思います。

 日本には高齢者が多く存在し、また高齢者層は比較的金銭面でも余裕もある世帯が多いのでこの市場は逃してはいけない大きなビジネスチャンスだと思います。

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