今回は、ゲーミングPCの選び方についての解説記事を書きたいと思います。最近はコロナ事情もあり家でゲームを遊ぶという方も増えてきています。そこで、日常業務でPCを使うからついでにゲームのできるPCを買おうとする方もいると思います。
ところが、いざゲーミングPCを買おうとした際にいろいろ項目があるけど、どうすればいいんだろうと悩む人は結構多いです。
この記事では、PC購入が初めての人でもスペックを見分けて簡単に選ぶ方法を紹介したいと思います。
ゲーミングPCとは
ゲーミングPCは別に光るPCではありません。大まかにいうとゲームができるくらいグラフィック性能が卓越しているPCのことをさします。そのため、光っていなくてもゲーミングPCは存在しますし、光っていてもゲームができないPCも当たり前ですが存在します。ただし、ゲーミングPCに光物のパーツが搭載されていることが多いという点に関しては正しいとは思います。
グラフィック性能の良しあしは、基本的にはGPUの性能で決まっておりその他のパーツがこのGPUの性能の足を引っ張らないようにうまく構成することがゲーミングPCの基本となります。
GPUはグラフィックボード(ビデオカードともいう、以下グラボ読み)というパーツに搭載されており、グラボはこのGPUを冷やすための冷却ファンとヒートシンク、キャッシュであるVRAMで構成されています。VRAMに関しても性能をある程度左右してくる要素ではありますが、基本的にGPUにあった量のVRAMが搭載されているのでBTOでゲーミングパソコンを買う初心者がVRAMについて気にすることはないでしょう。
グラボについて知りたい方はこちらの記事を参照してください
グラフィックボードの選び方
グラボの構造
その他、CPUに関してはゲームだけをやりたい場合はGPUに劣らない程度のCPUを購入すると安価な構成でゲーミングPCを購入することが可能です。また、BTOパソコンに関してはこれらのバランスが比較的取れている構成で販売しているので初心者は安心して購入できると思います。
CPUに関しての記事
CPUの選び方2021年 1月12日現在
ゲーミングPCの買い方
ゲーミングPCの買い方は主に2つあります。一つはBTOで完成品を買うという方法ともう一つが必要なパーツを調達してパソコンを自作してゲーミングPCを組むという方法です。自作PCとBTOパソコンどちらがいいかというのは前回の記事も参照してもらえると嬉しいです。
ゲーミングパソコン自作かBTOか
本当にゲームだけをやりたい方はおそらくBTOパソコンのほうがトータルのコスパは良いでしょうし、手間もかからないと思います。ただし、そのようなゲーマーの方でも中古のデスクトップパソコンを持っている方は場合によっては自作したほうがコストが安上がりな場合もあります。
実はグラフィック機能を決めるGPUの性能向上やそれに伴うゲームのグラフィック性能の向上に比べるとCPUの進化やその他周辺パーツの進化は比較的遅く、最高峰のスペックを求めない場合ならグラフィックボードの交換だけで最新のゲームもある程度遊ぶことができます。特にFHD60fps程度なら10年前のi7-2600KのようなCPUでも十分遊ぶことができるので安価にゲーミングPC化したい場合はまだまだ、カスタムでも乗り切ることができます。
個人的にはintel系ならば第8世代のデスクトップCPUならグラフィックボード交換だけでも前線で使うことが可能だと思いますし、お試しでプレイをしたいだけなら第二世代のcoreでもまだまだ使えるとは思います。AMD系に関しては流石に第三世代のデスクトップ向けRYZEN以上じゃないと厳しいと思います。
ただし、メーカー向けPCなどではロープロファイルという規格を採用している場合があり、大きいグラボが入らない可能性もあります。また、最近のグラボは巨大化しているためPCケースの大きさも十分注意してください。
ちなみにグラボに関してはゲームをやりたい方は中古は絶対に買わないほうがいいと思います。
MSI ロープロファイル対応 グラフィックスカード GEFORCE GTX 1050 TI 4GT LP
上記はアソシエイトリンクです
上記の写真のとおり、ロープロファイル規格のグラボは通常のグラボに比べて小さいです。大きさが小さいためRTXシリーズなどのハイエンドモデルのロープロファイルモデルは現在のところありません。本格的にゲームを楽しみたい場合にはロープロファイル規格のグラボだと限界があると思います。
2021年2月時点のおススメ構成
ここからは個人的におすすめのゲーミングPC構成を紹介していきたいと思います。ちなみにすべて現状手に入る最新のパーツで考えていますので代用できる場合は代用しても構いません。
プラン1 ゲーミングPC初心者向け構成
CPU corei5-10400F
GPU geforce GTX1660Super
メモリ DDR4-2666 16GB [定格]
電源 500W程度
マザーボード チップセット H470のもの
ストレージ SATA SSDの500GB以上のもの予備で1TB以上のHDDがあるのが望ましい
構成としては、APEXのFHDで設定を変更すれば144fpsでプレイをできるというレベルの構成です。軽いFPSゲームならばハイフレームレートでプレイをできますし、日常業務にも安心して使えるレベルの性能があります。さすがにサイバーパンク2077のような激重タイトルだと満足のいく性能は得られませんが、それでもプレイはできるレベルの性能はあります。BTOパソコンを選ぶ場合でも、これに似たような構成で安価なものを選べばある程度安定感のあるPCが購入できると思います。ゲームは1本100GB換算で考えるとHDD抜きなら2~3本が入る容量のストレージです。
Crucial SSD 500GB MX500 内蔵2.5インチ 7mm (9.5mmスペーサー付属) 5年保証 【PlayStation4 動作確認済】 正規代理店保証品 CT500MX500SSD1/JP
内蔵SSDの定番商品です。TLCタイプなので信頼性も高いです。徐々に安価になっているので、購入もしやすいと思います。
プラン2 本格的にゲームをやる人向けコスパPC
CPU i7-10700KF
GPU geforce RTX3070 or RADEON6800
メモリ DDR4-2666 16GB以上
電源 750W程度のもの
マザーボード Z490チップセットのもの
ストレージ SATA SSD500GB以上NVMeだとなお良し 予備HDD2TB以上
CPUクーラー 12cmファンのついたサイドフロータイプのもの
この構成なら、基本的にFHD画質で動かないゲームは存在しないと思います。geforceでもRADEONでもどちらでもいいですが、今のRADEON6000シリーズは入手性が劣悪であり手に入りにくいので、基本的にはRTX3070一択になると思います。
i7-10700FはRYZEN5000シリーズが出るまでは最高クラスのゲーミングスペックを誇っていたCPUなのでボトルネックになることはないと思います。i9-10900FだとTDPが65wと自称はしていますが、実質TDP150Wクラスの爆熱CPUであるため発熱がひどすぎて扱いが厄介です。個人的にはi7-10700Fのほうが素性が良いCPUだと思います。
流石にこのクラスになるとintelのリテールクーラーだと相当うるさいので個人的には社外品のクーラーをつけたほうがいいと思います。12cmの空冷クーラーならエアフローの良いケースなら問題はないと思います。
サイズ オリジナルCPUクーラー 虎徹 Mark II
上記のクーラーはコスパが良いので初めての社外品クーラーを使う方にもおすすめです。BTOならintel製のCPUの場合空冷オプションをつけておくとよいと思います。
また、BTOの水冷は結構残念なものが多いので、評判の良いアセテック製のものを使っていると公表しているサイコム製のパソコン以外の水冷オプションはお勧めできないです。BTOのケースは十分なエアフローが確保されているケースが多いので、空冷でも冷やしやすいと思います。
Western Digital HDD 4TB WD Blue PC 3.5インチ 内蔵HDD WD40EZRZ-RT2 【国内正規代理店品】
定番の内蔵HDDです。予備ストレージとしてお使いください。WDの最近のモデルはSMRが増えており、BlueシリーズもSMRが増え続けているなかなぜか4TBモデルだけはCMR方式を継続しているため買いのモデルです。SMR方式は基本的には消費者にとってのメリットは皆無ですので、買えるならCMR方式のモデルを購入するとよいと思います。
最高性能 4Kでも遊びたい方向け コスパ構成
CPU RYZEN9 5900X
GPU Geforce RTX3080 or RADEON RX6900XT
メモリ DDR4-3600以上だと望ましい(BTOの場合はDDR4-3200でOK)
電源 1000Wクラスが望ましい (750Wでも定格なら運用可)
マザーボード X570チップセットのもの
ストレージ NVMe SSD1TB以上 予備ストレージはHDD 4TB以上が望ましい
CPUクーラー 最低限120mmの空冷
できるなら140mmファンの空冷 or240mm以上の簡易水冷、それと同等以上の水冷設備
4Kで本格的に遊びたい人向けの構成です。予算としては30万円くらいの想定です。この構成ならたいていの4Kは遊ぶことができます。一部フライトシミュレーターのように重すぎて4K 60fpsが安定しないゲームやレイトレーシングを採用すると一気に重くなるゲームなどはありますが、基本的にこの構成で動かないゲームはまだ未来のゲームといえるので素直にあきらめたほうがいいと思います。
1枚20万円以上するRTX3090は確かにこの世代の最高性能のGPUであることは間違いがないのですが、性能を得るために使うコストに比べると明らかに見合ってないので、ゲーム目的での購入のおススメは全くできません。3090にステップアップするのに使う10万はゲーミング環境を整えたり、次のハイエンドグラボに割り当てる予算にしましょう。
CPUはハイエンドの中でも際立ったコスパの5900Xがおすすめです。品薄ですが、12コアにしては破格のコスパであり、ゲーミング性能も現状最高のCPUであるためボトルネックになることはありません。これの1つ上のモデルである5950Xにしてもゲーム性能は直接的には上がることはないですし、コスパは悪くなるので5900Xでいいのかなと思います。
RYZENのメモリ速度の最適はDDR4-3600のといわれており、5900Xにはインフィニティーファブリック存在するため、メモリ速度も重要なCPUとなります。BTOの場合おそらくOCメモリは選べないので、定格のメモリを使わざるを得ないと思いますが、カスタムできる方は数パーセントくらいはメモリ速度でゲームのフレームレートが向上するのでDDR4-3600にするとおすすめです。初期のRYZENだとメモリはシビアでしたが、最近は相性問題も比較的少ないので割と安心して選べると思います。
G.Skill Sniper X F4-3600C19D-32GSXWB (DDR4-3600 16GB×2)
私が使用しているメモリです。安価でDDR4-3600に対応しているのでおススメです。CLは19ですが、CLが低いモデルはかなり高いのでそこは好みによって購入してください。
ストレージはシステムドライブでNVMeタイプで1TBくらいあると嬉しいと思います。NVMe のSSDは高価ですが、装着しやすいうえに汎用性が高く高速ですのでつけれるだけつけておきたいところです。別にPCIE3のモデルでも問題はありませんが、PCIE4のモデルはさらに読み書きする速度が速いので最高峰の性能を目指すなら使う手もアリです。ただし、体感上はPCEI4も3もそこまで速度が変わるわけでもないのでコスパ重視なら普通のPCIE3のNVMeタイプのSSDでよいと思います。
CPUクーラーは5800Xほど熱源が集中していないので、爆熱仕様ではないという評判ですが、最低でも120mmファンのついた空冷クーラーは必須でしょう。AMD公式からも簡易水冷が推奨されています。5900Xは自動OCツールのPBOの機能が優秀なため、冷やせば冷やすほど性能がでます。そのため、最高性能を目指すなら360mmの簡易水冷クーラーを導入してもよいと思います。さすがに本格水冷は使う必要がないと思います。
Fractal Design Celsius+ S36 Dynamic 簡易水冷CPUクーラー ARGB対応LEDファン搭載 360mm FD-W-2-S3601 HS1364
評判の良いアセテック社のOEM製品です。360mmなのでかなりの冷却能力を期待できます。簡易水冷は安いモデルですと空冷クーラーに負けることがあるので、基本的には240mm以上のラジエーターが存在しないと買う価値はないと思います。
intel 11th coreプロセッサーについて
最後に今後出てくるintelの11th coreプロセッサーについて買いかどうか説明します。ぶっちゃけて言うと、典型的な死産商品であり買う必要性はかなり薄いです。現状10thのcoreプロセッサーがかなりコスパが良く、コスパ商品としての定番となっている中でほとんど性能が変わらないものを高額で購入することになりかなり馬鹿馬鹿しです。もしかしたら、ミドル帯ではコスパが良くなる場合もあるかもしれませんがハイエンド帯は全く期待できません。特に11世代最強のi9-11900Kは360mmの簡易水冷ですら98度に到達するなど、爆熱というよりヒーターという表現が正しいレベルの熱源なので購入は危険です。
一方でマザーボードのチップセットに関しては、HやBといったコスパモデルでもメモリOCを解禁するなど、ある程度消費者にとってはうれしい仕様もあるのでマザーボードに関してはある程度チェックをしてもいいのかなと思います。マザーボードの完成度自身はまさにハイエンド仕様のものが多く、いかに11世代のCPUが恐ろしいものか簡潔に伝えています。